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段差でつまずき自分に当たって転倒したら治療費等は払う?法律相談・弁護士

前を歩いていたおばあちゃんが道路の段差につまずき、花子さんの荷物に当って転倒しました。このとき花子さんは治療費などをを払わなくてはいけないの?
2016年5月21日O.A.の『バラエティー生活笑百科』から

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今回の相談


転倒して荷物にぶつかったら?法律相談

花子さんは買い物の帰り道、前を歩くおばあちゃんを見て、注意してゆっくりと後ろを歩いていました。

すると、おばあちゃんは歩道の段差でよろめき、転んで手を骨折。転んだ時に、花子さんの荷物に当たりました。

「荷物に当たって転倒したと言っている。治療費や将来の介護に必要な費用を払ってほしい」と、後日家族から言われました。

目撃した人はおばあちゃんは段差で転倒したと言っています。

花子さんは治療費などを払うのか?という相談です。

相談員の意見


山田花子【払わない】
おばあちゃんが倒れた原因は道路の段差で、見ている人もいた

桂吉弥【払う】
結果的に花子さんの荷物に当たって倒れているから。おばあちゃんとの距離をもっと取っておくべきだった

弁護士の見解


払わない可能性が高い

【理由】
今回は花子さんの行動が、おばあさんの転倒を引き起こした加害行為といえるかどうかが問題になります。

不法行為による損害賠償責任が発生するのは、「故意」または「過失」によって、他人の権利などを侵害し、その結果他人に損害が発生したことが必要です。

もし花子さんの荷物がおばあさんに当たって負傷したならば、花子さんは当たらないための注意を怠った過失によって、治療費や慰謝料を、後遺症が残った場合の介護費とかの損害を賠償しなければなりません。

しかし今回花子さんも目撃した人も、おばあさんが段差でよろける際に、花子さんの荷物にぶつかったんであれば、花子さんに過失はなく、荷物に当たらなくてもおばあさんは倒れていたかもしれません。

また荷物に当たったことと、おばあさんの転倒との間には法的な因果関係もないというふうに思われます。

そして花子さんの過失や因果関係については、原則としておばあさんの方で証明しなければなりませんが、裁判例を見ても事実の誤認に微妙な部分があって断定はできません。

しかし今回は損害賠償金を支払わなくても良い可能性が高いと考えられます。

【林弁護士の“ちょっと一言”】
歩行者同士の接触でも思わぬ責任が

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補足 歩行者同士の場合


歩行者同士がぶつかった場合のケースでは、当事者の年齢・身体能力・歩行速度・よそ見の有無など様々な事情を考慮して、一方に落ち度があり、他人に接触して負傷させた場合は、損害賠償が発生します。

スマホなどのながら歩きでも多額の損害賠償が発生する可能性があります。

ゲスト


林一弘弁護士
中村美律子


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