TPP承認案　政府与党が国会での承認を急ぐわけ　池上彰のニュース大辞典

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TPP承認案　政府与党が国会での承認を急ぐわけ　池上彰のニュース大辞典 [編集]

2016年9月28日O.A.池上彰のニュース大辞典から

そもそもTPPとは

今年2月、ニュージーランドでアジア太平洋地域の12か国の各国代表は、TPP（環太平洋経済連携協定）に署名しました。

TPPは貿易や投資の自由化に加え、サービス・知的財産などのルールを決める協定です。

その後各国が国内の手続きを完了すれば、協定は発効します（効力を持ちます）。

TPPの舞台は各国の議会へ

日本では政府与党は当初、TPP承認案や関連法案について、先（4月～6月）の通常国会での可決を目指していました。

しかし交渉資料の開示などをめぐって与野党の対立が激化しました。

結局、衆議院で継続審議となり、秋の臨時国会で成立を図ることになったのです。

臨時国会でも与野党の対立は避けられませんが、政府与党は11月30日までの66日間の会期中、TPPに関する審議を最優先事項に位置づけ対応します。

承認を急ぐのはなぜか

背景にあるのはアメリカの情勢です。アメリカでは11月に行われる大統領選挙に向けて、TPPに対する風当たりがアメリカ議会などで強くなっています。

トランプ氏が大統領に就任した場合、TPPの発効は困難になる見通しです。

またクリントン氏の場合でも内容が修正されるとの見方が有力です。

TPPの旗振り役のオバマ大統領は任期内に承認したい考えですが、議会は抵抗しそうです。

そこで日本がいち早くTPP協定を承認し発効への機運を高めようとしているのです。

TPPが発効すれば世界のGDPの4割近くを占める巨大経済圏が誕生することになりますが、漂流しかねない状況でもあります。

承認を急ぐのはなぜか