0増6減　池上彰のニュース大辞典

	ブログをはじめるログイン

養子縁組のない遺産相続人は、故人の息子か.. ｜就活解禁　池上彰のニュース大辞典ブログトップ

0増6減　池上彰のニュース大辞典 [編集]

明日は通常国会の会期末。そこで国会で成立した重要法案について解説します。
2016年5月31日O.A.池上彰のニュース大辞典

0増6減とは

0増6減とは国会議員の数を減らすこと。

この国会では衆議院の選挙制度改革について議論が進められました。その背景には一票の格差の問題があります。

最高裁判所は直近3回の衆議院選挙を巡り、小選挙区の一票の格差が最大2倍以上あったことから、憲法の求める平等に反する違憲状態としていました。

そこで一票の格差を縮めるために、与党側が国会に提出した改革案が小選挙区の定数を、0増6減するというものです。

衆議院小選挙区0増6減

「一票の格差」は、どう変わる？

議員1人あたりの人口が少ない6県（青森、岩手、三重、奈良、熊本、鹿児島）の定数を1ずつ減らすことになります。

そして各都道府県の選挙区の区割りを見直すことで、一票の格差を2倍未満に抑えるとしています。

2倍未満でいいのか？
憲法違反か否かの判断の目安になっているのが、一票の格差が2倍を超えているかどうかです。

しかし人口は変動するため、今回の0増6減が実施されても再び2倍を超える可能性があります。

アダムズ方式

実はもっと抜本的に人口比を反映しやすくなるやり方も今の国会で議論されました。

それが『アダムズ方式』です。
これはアメリカ第6代大統領のアダムズ氏が提唱した計算式で、人口比を反映しやすいため、フランスやカナダの議会でも採用されています。

国会での議論に先立って、衆院議長の諮問機関は、アダムズ方式を導入して『7増13減』するという改革案を答申していました。

しかしこの案では、自民党の現職議員が多い地方の定数が大幅に減るため、自民党内から反発の声が上がりました。

結局、アダムズ方式の導入は先送りされ、2020年の国政調査の結果が出たあとに導入することが決まりました。

アダムズ方式導入を先送り