賢島　池上彰のニュース大辞典

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賢島　池上彰のニュース大辞典 [編集]

26日（木）からG7 伊勢志摩サミットが開催されるにあたり、4日間に渡って伊勢志摩サミットに関するキーワードを解説。今回はその第1回目です。
2016年5月23日O.A.池上彰のニュース大辞典

賢島とは？賢島の概要

三重県志摩市にある賢島は、周囲が約7.3km、人口約100人の小さな島です。

伊勢志摩サミットが開かれる賢島

本州からわずか10mほどに位置し、潮が引けば歩いて渡れるため徒越え島（かちごえしま）と言われ、それがなまって賢島になりました。

賢島は昭和初期まで無人島でした。目の前の英虞湾では真珠の養殖が盛んだったことから、養殖のための資材を置く建物が2、3ある程度でした。

その後、1929年に志摩電気鉄道（現在の近鉄志摩線）が開通しました。

そして戦後まもなく伊勢志摩地域が国立公園に指定されると、「海の軽井沢」と目指してリゾート地としての開発が進みます。

ホテルや別荘が多くあり、主要な産業は観光業です。

賢島がサミット会場に選ばれた理由

賢島が選ばれた一番の理由は、警備のしやすさ。

本州から賢島へ車で行くルートは、二つしかありません。一つは賢島大橋を渡る県道17号。もう一つは国道167号です。

伊勢志摩サミットの警備

さらにサミット期間中、賢島には外務省発行のIDカード・車両証を持つ住民、関係者などしか入れなくなります。

つまり最大の収入源である観光客さえも入れなくなるんです。

会議は賢島のどこで開かれるのか

会議は賢島の志摩観光ホテルで開かれます。

サミット会場となる志摩観光ホテル

志摩観光ホテルは1951年開業のリゾートホテルで、昭和天皇をはじめ、皇族や著名人も宿泊した施設でもあります。

今の天皇陛下も宿泊されました。

また志摩観光ホテルは、作家の山崎豊子さんが書いた「華麗なる一族」の舞台としても知られています。

作品の冒頭では、英虞湾に沈みゆく夕日の美しさが綴られていますが、山崎さんは実際にホテルから夕日を見ながら、何日もかけてその数行の文章を冒頭の文章を練ったそうです。