ドクターG『温泉で息苦しくなった』の病名は『食物依存性運動誘発アナフィラキシー』5月11日
原泉さんは20歳の大学生。温泉同好会に所属する彼は、入植中に息が苦しくなり動けなくなってしまった。
2016年5月11日O.A.
患者さんは20歳の男性、原泉さん。
【14:30】温泉で入浴中に発症。30分様子を見たあと、車で緊急外来へ。
【16:00】病院に到着。
【聴診】ウィーズ(喘鳴)なし
【触診】足のむくみ-なし
【問診】
■大きな病気をしたことはない。
■アトピー性皮膚炎がある。
■問診のときは、息苦しさは治まっていた。
■胸が詰まって吐けない感じの息苦しさで、1時間以上続いた。胸の痛みはない。
■体に痒みや皮疹-なし
■3週間前の温泉では問題なかった。
■旅館にカビ臭さやほこりはなかった。
■43~44℃くらいの温泉に15分くらい入っていた。
■好きな女性を先輩に取られると思った瞬間、息苦しくなった。
■体温36.2℃ 血圧109/60 脈拍88回/分 呼吸数18回/分 酸素飽和度96%
〓旅館に着くまでの出来事〓
■車に5時間ほど乗りっぱなしだった。
■車のクーラーがカビ臭かった。
■13:30に車内でサンドイッチやマンゴーを食べたが、口や喉はヒリヒリしなかった。
■旅館に着いて車を降りたとき、両膝が痛かった。
濱田:アナフィラキシー血管浮腫
徳田:肺塞栓症
林 :肺塞栓症
診断した理由/合わない点
濱田:呼吸苦/-
徳田:長時間の車移動/-
林 :-/両膝が痛かった
アナフィラキシーで考えられる食べ物に、車内で食べた卵、豚肉、小麦、えび、マンゴーが上げられました。
車のクーラーがカビ臭かったことや温泉から、過敏性肺炎やレジオネラ肺炎なども考えられましたが、発熱がないことから、可能性は低いと考えられます。
また、恋愛のストレスから過換気症候群が上げられました。
・努力しないと生きが吸えない感じ
・胸が詰まって吐けない感じ
・空気が足りない感じ
のうち、「胸が詰まって吐けない感じ」と患者さんは答えました。
徳田さんは、この症状から気管支の症状と答えました。肺塞栓症は、空気が足りないような感じがするため、合わないと答えました。
気管支は炎症を起すと、空気の通り道が狭くなります。すると息を吐くときに胸が詰まって吐けないと感じます。
また過換気症候群も胸が詰まって吐けないというよりは、呼吸がコントロールできないと答えました。
【Dr.G】
パニックを起こし症状をうまく説明できない事も考えられるとし「過換気症候群」は残すことに。
また、病気を突き止めるためには、過去に同じような症状があったかを聞くことが大切だと助言しました。
過去にも息苦しくなったことを問診し始めたDr.G。すると3週間前の新歓合宿で同じような症状が出ていたことが分かりました。
【問診】
■昼食は狐うどんを食べた。
■その30分後の決勝戦の卓球で息苦しくなった。
■息苦しさは試合後、1時間ほど続いた。
Dr.Gはこの問診で患者さんの病名を突き止めました。
濱田:アナフィラキシー
徳田:食物依存性運動誘発アナフィラキシー
林高:過換気症候群
診断した理由/合わない点
濱田:狐うどんを食べた30分後に呼吸苦/小麦はいつも食べている
徳田:小麦の摂取+運動/
林高:先輩との卓球、一過性の症状/-
食物依存性運動誘発アナフィラキシーでは、食後2時間以内に運動することで発症します。
新歓合宿の時は、30分後に卓球をして呼吸苦になりましたが、今回は運動をしていません。
しかし43~44℃の熱いお湯に入った場合、運動をした時のように、腸の動きが鈍くなったと考えられます。
そこで、アレルギー科の協力のもと、実際に原泉くんにうどんを食べて、10分後に運動してもらったところ、4分後に呼吸苦や赤い発疹、かゆみが現れました。
食物依存性運動誘発アナフィラキシー
ドクターGはすぐに同じ病院の循環器内科の専門医に、この病気を特定するための詳しい検査を依頼。
Dr.Gの診断で、食物依存性運動誘発アナフィラキシーと分かった原泉くんは、小麦を食べた後の運動と温泉を控えています。
あの日以来、症状を一度も出ていない。
【Dr.G】
千葉県 総合病院 国保旭中央病院 塩尻寿明
【研修医】
濱田泰彰 神奈川県 湘南厚木病院
徳田理奈 京都府立医科大学附属病院
林高大(たかひろ) 福岡県 飯塚病院
ドクターG『ジカ熱かもしれない』ジカ熱は誰だ!?5月18日
ドクターG『温泉で息苦しくなった』の病名は『食物依存性運動誘発アナフィラキシー』5月11日
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2016年5月11日O.A.
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主訴:息が苦しくて 動けない
患者さんは20歳の男性、原泉さん。
【14:30】温泉で入浴中に発症。30分様子を見たあと、車で緊急外来へ。
【16:00】病院に到着。
【聴診】ウィーズ(喘鳴)なし
【触診】足のむくみ-なし
【問診】
■大きな病気をしたことはない。
■アトピー性皮膚炎がある。
■問診のときは、息苦しさは治まっていた。
■胸が詰まって吐けない感じの息苦しさで、1時間以上続いた。胸の痛みはない。
■体に痒みや皮疹-なし
■3週間前の温泉では問題なかった。
■旅館にカビ臭さやほこりはなかった。
■43~44℃くらいの温泉に15分くらい入っていた。
■好きな女性を先輩に取られると思った瞬間、息苦しくなった。
■体温36.2℃ 血圧109/60 脈拍88回/分 呼吸数18回/分 酸素飽和度96%
〓旅館に着くまでの出来事〓
■車に5時間ほど乗りっぱなしだった。
■車のクーラーがカビ臭かった。
■13:30に車内でサンドイッチやマンゴーを食べたが、口や喉はヒリヒリしなかった。
■旅館に着いて車を降りたとき、両膝が痛かった。
最初の診断&カンファレンス(症例検討会)
濱田:アナフィラキシー血管浮腫
徳田:肺塞栓症
林 :肺塞栓症
診断した理由/合わない点
濱田:呼吸苦/-
徳田:長時間の車移動/-
林 :-/両膝が痛かった
アナフィラキシーで考えられる食べ物に、車内で食べた卵、豚肉、小麦、えび、マンゴーが上げられました。
車のクーラーがカビ臭かったことや温泉から、過敏性肺炎やレジオネラ肺炎なども考えられましたが、発熱がないことから、可能性は低いと考えられます。
また、恋愛のストレスから過換気症候群が上げられました。
最初の診断&カンファレンス(症例検討会)つづき
・努力しないと生きが吸えない感じ
・胸が詰まって吐けない感じ
・空気が足りない感じ
のうち、「胸が詰まって吐けない感じ」と患者さんは答えました。
徳田さんは、この症状から気管支の症状と答えました。肺塞栓症は、空気が足りないような感じがするため、合わないと答えました。
気管支は炎症を起すと、空気の通り道が狭くなります。すると息を吐くときに胸が詰まって吐けないと感じます。
また過換気症候群も胸が詰まって吐けないというよりは、呼吸がコントロールできないと答えました。
【Dr.G】
パニックを起こし症状をうまく説明できない事も考えられるとし「過換気症候群」は残すことに。
また、病気を突き止めるためには、過去に同じような症状があったかを聞くことが大切だと助言しました。
再現VTRのつづき
過去にも息苦しくなったことを問診し始めたDr.G。すると3週間前の新歓合宿で同じような症状が出ていたことが分かりました。
【問診】
■昼食は狐うどんを食べた。
■その30分後の決勝戦の卓球で息苦しくなった。
■息苦しさは試合後、1時間ほど続いた。
Dr.Gはこの問診で患者さんの病名を突き止めました。
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最終カンファレンス
濱田:アナフィラキシー
徳田:食物依存性運動誘発アナフィラキシー
林高:過換気症候群
診断した理由/合わない点
濱田:狐うどんを食べた30分後に呼吸苦/小麦はいつも食べている
徳田:小麦の摂取+運動/
林高:先輩との卓球、一過性の症状/-
食物依存性運動誘発アナフィラキシーでは、食後2時間以内に運動することで発症します。
新歓合宿の時は、30分後に卓球をして呼吸苦になりましたが、今回は運動をしていません。
しかし43~44℃の熱いお湯に入った場合、運動をした時のように、腸の動きが鈍くなったと考えられます。
そこで、アレルギー科の協力のもと、実際に原泉くんにうどんを食べて、10分後に運動してもらったところ、4分後に呼吸苦や赤い発疹、かゆみが現れました。
最終診断
食物依存性運動誘発アナフィラキシー
ドクターGはすぐに同じ病院の循環器内科の専門医に、この病気を特定するための詳しい検査を依頼。
Dr.Gの診断で、食物依存性運動誘発アナフィラキシーと分かった原泉くんは、小麦を食べた後の運動と温泉を控えています。
あの日以来、症状を一度も出ていない。
出演者
【Dr.G】
千葉県 総合病院 国保旭中央病院 塩尻寿明
【研修医】
濱田泰彰 神奈川県 湘南厚木病院
徳田理奈 京都府立医科大学附属病院
林高大(たかひろ) 福岡県 飯塚病院
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2016-05-12 22:25
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