ドクターG 『風邪にしては…だるい』原因は病名『遺伝性球状赤血球症』3月3日【前編】
鈴木恵子さん(57歳)は認知症の母と二人暮らし。
そんな恵子さんは4日前から熱が出て風邪にしてはだるいと訴えてきた。
2016年3月3日放送の「総合診療医 ドクターG」から
患者は、鈴木恵子さん(57歳仮名)クリーニング店のパート勤務 162cm/54kg
・初診時の体温37.6℃、血圧125/75 心拍数75回/分
・風邪にしてはだるい。鼻水は少し出るが、咳や頭痛はない
・1週間前に暖房が壊れた寒い中での勤務を行い、客の中には風邪の人もいた
・5日前に喉が痛くなったので、パートを休み、いつも飲んでいるかぜ薬を飲んだ
・4日前にも薬を飲んだが効かなかった。母の付き添いをしたとき、寒気がして熱っぽくなって、夜体温を計ったら38.5℃まで上がっていた
・1週間前にはなかった指の関節の痛みが、昨日の夕方から出てきた。指の関節を押すと痛いが、肘に痛みはない
・2週間前に会った孫は鼻水を出していた
・腕が赤いが昨日はなかった
・口内炎なし。後頸部リンパ節腫脹(しゅちょう)あり
・心音異常なし。呼吸音異常なし
・かぜ薬以外に飲んでいる薬なし。大きな病気や入院の経験なし
【研修医の診断と理由/合わない点】
國光:強皮症 手の指の腫れ/急性の発症、手が赤い
河合:パルボウイルス感染 関節痛、皮疹、倦怠感、リンパ節の腫れ/
孫に会ったのは2週間前で発症が4日前で、潜伏期間として10日間は比較的典型症例である
舩冨:成人スティル病 発熱、関節痛、皮疹/膝や肘の関節痛がない
【Dr.G】のど、鼻、せきの3つの症状のうち、何かがないと風邪とは考えない→恵子さんの場合、せきがない
【Dr.G】考えられる“だるさ”の原因は?
発熱、手の関節痛、筋力低下、息切れ、疲れやすい、不眠など→恵子さんの場合は、熱と関節痛
中高年の女性に多い病気として、関節リウマチが考えられる
皮疹について
【成人スティル病】
成人スティル病の皮疹はサーモンピンク色で、皮膚の柔らかい部分に出る。
成人リンゴ病の皮疹は淡い赤色で、レース状でまだらに出る。
【パルボウイルス感染】
パルボウイルス感染の場合、皮疹が出るタイミングは、熱の下がりかけである
対する成人スティル病の場合は、熱が出た時に皮疹が出て治まると消えてしまう
恵子さんが成人スティル病なら、発熱した4日前に皮疹が出るはずで、皮疹が出たのが初診の日なので考えにくい
【Dr.G】この後どうしたら良いのか?このような患者さんが来たら、帰らしたら良いのか、入院させたほうが良いのか?
河合先生:水分や食事がきちんと摂れているか、症状が出たらすぐ来てもらうようにする。その場合は、熱を下げる薬や関節の炎症を止める薬を出しておく
【Dr.G】やっておきたい検査は?→血液検査
成人リンゴ病ならば2週間後には治っているはず
・2週間ほどで良くなると思うと伝え、採血をして、2週間後にまた来てもらうように伝えた。またその間に体調が悪くなったら来てもらうようにも伝えた。
・血液検査の結果:パルボウイルスB19 抗体→陽性
・10日後、鈴木さんが「体がとてもだるい」と来診した。体温36.4℃。熱が下がったのは初診から2日目
・関節痛はなく、腕の皮疹は3日前に治っている
・熱や関節痛はなくなったのに、だるさが増している。少し作業をしても息切れしてだるい。
・6年前の健康診断で胆石があると診断されたことがあったが痛みはない。黄疸も現れていない。
・今までに貧血だと言われたことはない
・ひ臓の腫脹あり
・基礎データ:体温36.4℃、血圧115/75、脈拍85回/分
【Dr.G】パルボウイルス感染の裏で起こっている何かを突き止めなければならない‥
『風邪にしては…だるい』原因は病名『遺伝性球状赤血球症』3月3日【後編】
総合診療医 ドクターG 2016バックナンバー
そんな恵子さんは4日前から熱が出て風邪にしてはだるいと訴えてきた。
2016年3月3日放送の「総合診療医 ドクターG」から
主訴:風邪にしては…だるい
患者は、鈴木恵子さん(57歳仮名)クリーニング店のパート勤務 162cm/54kg
・初診時の体温37.6℃、血圧125/75 心拍数75回/分
・風邪にしてはだるい。鼻水は少し出るが、咳や頭痛はない
・1週間前に暖房が壊れた寒い中での勤務を行い、客の中には風邪の人もいた
・5日前に喉が痛くなったので、パートを休み、いつも飲んでいるかぜ薬を飲んだ
・4日前にも薬を飲んだが効かなかった。母の付き添いをしたとき、寒気がして熱っぽくなって、夜体温を計ったら38.5℃まで上がっていた
・1週間前にはなかった指の関節の痛みが、昨日の夕方から出てきた。指の関節を押すと痛いが、肘に痛みはない
・2週間前に会った孫は鼻水を出していた
・腕が赤いが昨日はなかった
・口内炎なし。後頸部リンパ節腫脹(しゅちょう)あり
・心音異常なし。呼吸音異常なし
・かぜ薬以外に飲んでいる薬なし。大きな病気や入院の経験なし
研修医の診断&カンファレンス(症例検討会)
【研修医の診断と理由/合わない点】
國光:強皮症 手の指の腫れ/急性の発症、手が赤い
河合:パルボウイルス感染 関節痛、皮疹、倦怠感、リンパ節の腫れ/
孫に会ったのは2週間前で発症が4日前で、潜伏期間として10日間は比較的典型症例である
舩冨:成人スティル病 発熱、関節痛、皮疹/膝や肘の関節痛がない
【Dr.G】のど、鼻、せきの3つの症状のうち、何かがないと風邪とは考えない→恵子さんの場合、せきがない
【Dr.G】考えられる“だるさ”の原因は?
発熱、手の関節痛、筋力低下、息切れ、疲れやすい、不眠など→恵子さんの場合は、熱と関節痛
中高年の女性に多い病気として、関節リウマチが考えられる
皮疹について
【成人スティル病】
成人スティル病の皮疹はサーモンピンク色で、皮膚の柔らかい部分に出る。
成人リンゴ病の皮疹は淡い赤色で、レース状でまだらに出る。
【パルボウイルス感染】
パルボウイルス感染の場合、皮疹が出るタイミングは、熱の下がりかけである
対する成人スティル病の場合は、熱が出た時に皮疹が出て治まると消えてしまう
恵子さんが成人スティル病なら、発熱した4日前に皮疹が出るはずで、皮疹が出たのが初診の日なので考えにくい
【Dr.G】この後どうしたら良いのか?このような患者さんが来たら、帰らしたら良いのか、入院させたほうが良いのか?
河合先生:水分や食事がきちんと摂れているか、症状が出たらすぐ来てもらうようにする。その場合は、熱を下げる薬や関節の炎症を止める薬を出しておく
【Dr.G】やっておきたい検査は?→血液検査
成人リンゴ病ならば2週間後には治っているはず
再現ドラマの続き
・2週間ほどで良くなると思うと伝え、採血をして、2週間後にまた来てもらうように伝えた。またその間に体調が悪くなったら来てもらうようにも伝えた。
・血液検査の結果:パルボウイルスB19 抗体→陽性
・10日後、鈴木さんが「体がとてもだるい」と来診した。体温36.4℃。熱が下がったのは初診から2日目
・関節痛はなく、腕の皮疹は3日前に治っている
・熱や関節痛はなくなったのに、だるさが増している。少し作業をしても息切れしてだるい。
・6年前の健康診断で胆石があると診断されたことがあったが痛みはない。黄疸も現れていない。
・今までに貧血だと言われたことはない
・ひ臓の腫脹あり
・基礎データ:体温36.4℃、血圧115/75、脈拍85回/分
【Dr.G】パルボウイルス感染の裏で起こっている何かを突き止めなければならない‥
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総合診療医 ドクターG 2016バックナンバー
2016-03-04 11:57
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