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ドクターG『吐き気がとまらない』の病名は『糖尿病性ケトアシドーシス』9月21日

木村誠さん(42歳)は一日中吐き気がとまっていない。そしてDr.Gは診察室に入ってもらうまでの短い時間で診断をはじめるという。
2016年9月21日O.A.

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主訴:吐き気がとまらない


主訴:吐き気がとまらない

「ドクターG」始まって以来、一番短い再現VTR。Dr.G自ら待合室にいる患者さんを呼び、診察室へ招き入れるところで、再現VTRが終わった。

Dr.Gは木村さんの名前を呼び、診察室に入ってもらうまでの間に、患者さんに対して次の診察を開始していた。

・1回目に名前を呼んでも反応がなかったのは、聞こえなかったのではなく、意識が集中できていないようである
・荷物を持つ動作で左右差がないことから、脳に病気がなさそうである
・歩行はゆっくりだが、ふらつきはなさそうである
・表情に左右差がないことから、脳の病気ではなさそうである

臨時カンファレンス(症例検討会)


【Dr.G】 吐く病気には何があるでしょうか?
頭の病気:可能性は低い

耳の病気:可能性は低い
耳の中の三半規管が不調になると、平衡感覚を失い「吐き気」や「ふらつき」が出る

吐き気を訴えていたが、眼振(自分の意志ではなく目が揺れる)はなかった

心臓の病気:胸痛や背中の痛みがあるか確認する
心筋梗塞などの病気

消化管:可能性あり。腹痛があるか確認する

泌尿・生殖器や肝臓・胆のう・膵臓:痛みがなさそうな感じから可能性は低い

以上、吐き気から可能性のある病気をあげた結果、可能性が低くなっていないのは「消化管」が残った。

主訴:吐き気がとまらない


主訴:吐き気がとまらない

【問診】
■吐き気は4日前からである。きっかけは娘が作ってくれたハンバーグを食べてからである。それ以来毎日吐いている
■吐いても楽にならず、吐き終わっても気持ちが悪いままである
■嘔吐物は黄色い水のようなものである
■過去に大きな病気はしていない
■飲み続けている薬はない
■頭痛はない
■タバコは1日20本ほど吸っている

【触診】
■黄疸・貧血→なし
■リンパ節の腫れ→なし
■胸痛・背痛→なし
■心音・呼吸音→正常
■腸の動き→正常
■腹部に圧痛が少しある
■下痢→10日前に風邪で寝込んだ時に3日間下痢だったが、今はない。なおそのとき吐き気はなかった

【基本データ】
■体温36.1℃ 血圧126/88 脈拍97回/分 呼吸数20回/分

主訴:吐き気がとまらない

最初の診断&カンファレンス(症例検討会)


【慢性膵炎】勝倉
・合わない点:突然発症しない、今まで病気はない
【ビタミン12欠乏症】椎木
・合わない点:ふらつきがない
【胆管炎】西澤
・合わない点:黄疸が進む、重症になる

【Dr.G】消化管の病気として典型的な胃腸炎ではダメだろうか?
・合わない点:胃腸炎であれば下痢の前に吐くのが先にくる→すると「消化管」の病気とも考えにくい

【Dr.G】今まで上げた病気の可能性が低くなったとき、次に考えられる病気は?
→電解質異常、ホルモンなどの内分泌代謝の病気で、吐き気が伴うものは‥

高カルシウム血症→体重の減少を確認する→ベルトの穴の位置が狭くなっていた
糖尿病性ケトアシドーシス→体重は減る
副腎不全(低ナトリウム血症)→体重は減る

体重減少などから考えられる病気は上記の3つに絞られた。

【Dr.G】これらの病気でほかに見られる症状は、口渇・多飲・多尿だが‥
高カルシウム血症なら→あり
副腎不全→なし
・糖尿病性ケトアシドーシス→あり

最初の診断&カンファレンス(症例検討会)

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再現VTRのつづき


【問診】
■夜中にトイレに行くことがある(多いときは2回)が、尿の量は変わらない
■水分は欠かさず摂るようにしている。その時に呑むのは甘い飲み物である


再現VTRのつづき

最終カンファレンス


最終カンファレンス

【糖尿病性ケトアシドーシス】勝倉、椎木、西澤

【Dr.G】診断の決め手は?
・コーラをたくさん飲んでいた
口渇・多飲・多尿
・体重減少
・夜間尿

大量の糖を摂ると大量のインスリンが作られなくてはならない。しかし大量の糖を摂るとインスリンの効きが悪くなったりする。すると糖分が増えていき糖尿病性ケトアシドーシスが始まる

もし糖尿病性ケトアシドーシスなら、クスマウル大呼吸の症状が出てくる
→木村さんの呼吸数は20回と正常範囲内であるが、吸っている時間と吐いている時間が1:1で異常な呼吸だった(正常は1:2になる)

【Dr.G】糖尿病性ケトアシドーシスなら他の症状は?
ケトン臭(リンゴのような甘酸っぱい)→あり

最終カンファレンス

最終診断


最終診断

糖尿病性ケトアシドーシス

木村さんはすぐに入院(2週間)し、インスリンを作る膵臓の機能を回復させる治療を行い、一命を取りとめた。

【Dr.Gのメッセージ】
学校では、所見から病気を突き止めていたが、現場ではいろいろな病気を除外して初めてひとつの病気にたどり着ける。

そして所見がないところから、ほかの病気を疑うことが大切である。

出演者


出演者

【Dr.G】
上田剛士 京都府 洛和会丸太町病院 救急総合診療科
2回目の出演

【研修医】
勝倉真一 東京新宿メディカルセンター
椎木麻姫子(しいのき) 山口県 徳山中央病院
西澤威人(たけと) 宮城県 仙台医療センター

出演者


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