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ドクターG『ジカ熱かもしれない』ジカ熱は誰だ!?5月18日

今回は3人の患者が登場し、誰がジカ熱なのかを見極める特別ルールです。なお患者は1人とは限りません。
2016年5月18日O.A.

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主訴:ジカ熱かもしれない


ジカ熱かもしれない1人目 ドクターG
【一人目】中野美咲さん33歳。妊娠5週目の妊婦。
■皮疹は今朝からで、顔と腕、お腹に出ている
■結膜充血あり
■体温37.4℃ 血圧128/85 脈拍82回/分
■ブラジル滞在は3/1~3/9。リオとサンパウロへ
■3/10に39.2℃の発熱。病院には行っていない
■咳や鼻水、のどの痛み-なし
■便がゆるい。普段の食品以外食べていない
■肘や膝が痛かったが、今は関節の腫れもない

ジカ熱かもしれない2人目 ドクターG
【二人目】大沢みどりさん21歳の大学生
■ブラジル滞在は3/2~3/11。アマゾンやコパカバーナへ
■体温38.0℃ 血圧115/75 脈拍96回分
■朝起きたとき皮疹が出ていた
■のどに若干の痛みと腫れが見られる
■半年前に病院の薬を飲んだが、薬名は不明
■ダニに噛まれた痕-なし
■肘や膝に関節痛はあるが腫れはない
■腹痛や下痢-なし
■麻疹や風疹-のちに聞くことに

ジカ熱かもしれない3人目 ドクターG
【三人目】山下真一さん34歳のレストラン経営
■渡航先はブラジル。期間は3/1~3/11。リオへ
■体温37.4℃ 血圧134/80 脈拍76回分
■皮疹は今日から出て全身にあり。結膜充血-あり
■咳や鼻水、のどの痛み-なし
■関節痛-少しあり


最初の診断&カンファレンス(症例検討会)


櫻井 :①中野さん
曽我部:①中野さんと③山下さん
森  :①中野さんと③山下さん

診断した理由/合わない点
櫻井 :妊婦であるため外し難い/-
曽我部:②は咽頭痛がある→ジカ熱でない/-
森  :発熱、渡航先、皮疹、結膜充血/-

・皮疹:全員(ジカ熱の皮疹の出方は様々)
・下痢:①中野だけ
・結膜充血:①中野と③山下。②大沢は検診中
・関節痛:①②③全員
・咽頭痛:②大沢だけ

結論として、この段階では3人ともジカ熱の可能性があります。

ジカ熱を見極めるポイントで、皮疹と発熱の時期に着眼点を置くことに‥
①中野:3/10~発熱、3/14皮疹が出た
②大沢:3/13~発熱、3/14皮疹が出た
③山下:3/13~発熱、3/14皮疹が出た

最初の診断&カンファレンス(症例検討会)つづき


【Dr.G】ジカ熱の場合、発症してからすぐ出てくるのが典型的で、ほとんどの患者の体温は38.5℃未満である。
①中野:3/10に39.2℃の高熱→3/14は37.4℃
 熱が下がったタイミングで皮疹が出た
これより、中野さんがジカ熱の可能性は低い。

【Dr.G】どのような検査が必要か?ほかの感染症の検査の必要性は?
→曽我部さん:ウイルスの遺伝子検査(PCR)

【Dr.G】患者さんが
妊婦でなければ→ジカ熱の検査はしない
妊婦であれば→影響が非常に大きいため検査を行う必要がある。

【Dr.G】②大沢さんのジカ熱以外で考えられる感染症は?
熱帯感染症の場合、鼻水、咳、咽頭痛は少ないことから、ジカ熱など輸入感染症は考えにくい。

【Dr.G】③山下さんのジカ熱以外で考えられる感染症は?
山下さんの体温は37.4℃であり、熱帯感染症で考えられるような高熱ではない。ならば山下さんがジカ熱



再現VTRのつづき


③山下さんに対して、Dr.Gは血液検査を行うことを伝え、検査結果は明日連絡するので、帰宅するように指示しました。

②大沢さん
麻疹や風疹-経験あり
半年前の病気は、熱が出て、ひどい喉の痛みがあった。
出された薬を飲み切るように言われたが、途中で症状が良くなり止めてしまいました。
昨晩飲んだ薬は、半年前に出されたものでした。

Dr.Gは大沢さんにも採血して帰宅するように指示しました。




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最終カンファレンス


2回目のカンファレンスでは、患者3人の病名を回答します。すると研修医全員が次の回答をしました。

①中野さん:デング熱
②大沢さん:伝染性単核球症
③山下さん:ジカ熱

研修医たちは、今回大沢さんがEBウイルスに感染したのに、抗生物質を飲んでしまい、その副作用で皮疹が出たと見解。

では山下さんがジカ熱であれば、なぜDr.Gは山下さんを妊婦のいる自宅に帰したのか?
ジカ熱デング熱を媒介するのは、ヒトスジシマカであり、この蚊は外で活動し、冬の時期はいないため。

ジカ熱の媒介者ヒトスジシマカ&ネッタイシマカ

【Dr.G】
血液検査の結果が出ました。
①中野さん:デングウイルス陽性
②EBウイルス陽性
③ジカウイルス陽性

最終診断


山下さんがジカ熱です。

その後、ジカ熱だった山下さんは1週間で熱が下がり、妊娠7か月の奥さんに感染することはありませんでした。

伝染性単核球症だった大沢さんは、2週間で症状が治まった。

デング熱だった中野さんは、デング出血熱になることもなく5日後に退院しました。

出演者


【Dr.G】
国立国際医療研究センター病院 忽那賢志(くつなさとし)
忽那賢志 国立国際医療研究センター病院

【研修医】
櫻井進一朗 東京都立多摩総合医療センター
曽我部志乃 石川県 金沢大学附属病院
森崇博 京都府 宇治徳洲会病院


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