原油価格と株価はなぜ突如暴落したのか?
ここ最近になって突如、原油価格と株価が暴落し始めている。その原因は難なんだろうか?その秘密に迫ってみたいと思う。
2016年1月24日放送の「これでわかった!世界のいま」から
世界中の株式市場で運用されているオイルマネーの総額は250兆円だと言われている。
東京株式市場で活発に取引された日に動くお金は3兆円だから、いかにオイルマネーの金額が大きいのかがわかる。
株価下落の原因はオイルマネー。サウジなどの原油国が原油安の影響で財政が大赤字となり、海外の株式市場にあるオイルマネーを本国に引き上げつつあるからではないかと考えられている
原油安の原因の一つに、米国のシェールオイル革命がある。実は2011~2014年中頃にかけても増産され続け、余り気味だったにも関わらず、その間原油価格は100ドル前後をキープしていた。
その理由が「地政学リスク」だ。地政学リスクとは産油国で紛争が起きて、原油の生産や供給が止まるかもしれないという懸念のことである。
2011年 イランがタンカーが行き交うホルムズ海峡を封鎖しようとした
2014年 6月にISがイラク北部を占拠
このような地政学リスクが2011~2014年まで切れ目なく続き、原油価格を100ドル前後に高止まりしていた。
それが2014年の中頃から、実際には地政学リスクはさほど高くないと判断されて、原油価格が激しく落ち込んできたのだ。
原油価格が下がった理由のもう一つとして、アメリカの利上げがある。
金融商品でもある原油は、WTI[*1]で、マネーゲームのように売り買いされていたが、アメリカで最近利上げされたのを受けて、原油市場から資金を引き上げたのが、下落の原因だと指摘する識者もいるという。
さらにもう一つの理由として、OPEC[*2]の分解だ。本来であれば、産油国が歩調を合わせて、原油の生産量を調整して、原油価格をコントロールするのが目的だ。しかし現在のOPECはその機能を果たしておらず、原油価格を下落させている。
サウジの一つ目の誤算は、シェールオイルの技術革新の進歩だ。
サウジはアメリカのシェールオイルを抑え込もうとして、石油の減産をしなかった[*3]。
しかし技術革新で、サウジの予想を超えて、シェールオイルが増産されてしまった。
二つ目の誤算とは、イランの経済制裁解除だ。サウジはイランの経済制裁が解除されないように働きかけていたが、これが解除(1月16日)されてしまった。
とりあえず、しばらくはサウジの石油とアメリカのシェールオイルの対決となりそうだ。
[*1]原油の先物取引の市場のこと。
[*2]石油輸出国機構で、サウジアラビアなどの産油国が集まって、原油の生産量を調整し、価格をコントロールしてきた組織のこと。
オイルショックが起きた原因は、1973年このOPECとイスラエルとの間で戦争が起き、イスラエルを応援する欧米諸国をギブアップさせようとして原油を減らして値上げしたことである。
[*3]減産しないことで原油価格を低く抑え、アメリカのシェールオイルが採算割れするのを狙ったのだ。そのとき試算した価格は40~60ドルだとされる
2016年1月24日放送の「これでわかった!世界のいま」から
オイルマネーが株式市場から消える!!
世界中の株式市場で運用されているオイルマネーの総額は250兆円だと言われている。
東京株式市場で活発に取引された日に動くお金は3兆円だから、いかにオイルマネーの金額が大きいのかがわかる。
株価下落の原因はオイルマネー。サウジなどの原油国が原油安の影響で財政が大赤字となり、海外の株式市場にあるオイルマネーを本国に引き上げつつあるからではないかと考えられている
原油安の原因の一つに、米国のシェールオイル革命がある。実は2011~2014年中頃にかけても増産され続け、余り気味だったにも関わらず、その間原油価格は100ドル前後をキープしていた。
その理由が「地政学リスク」だ。地政学リスクとは産油国で紛争が起きて、原油の生産や供給が止まるかもしれないという懸念のことである。
地政学リスクの具体例
2011年 イランがタンカーが行き交うホルムズ海峡を封鎖しようとした
2014年 6月にISがイラク北部を占拠
このような地政学リスクが2011~2014年まで切れ目なく続き、原油価格を100ドル前後に高止まりしていた。
それが2014年の中頃から、実際には地政学リスクはさほど高くないと判断されて、原油価格が激しく落ち込んできたのだ。
原油価格が暴落したあと2つ理由
原油価格が下がった理由のもう一つとして、アメリカの利上げがある。
金融商品でもある原油は、WTI[*1]で、マネーゲームのように売り買いされていたが、アメリカで最近利上げされたのを受けて、原油市場から資金を引き上げたのが、下落の原因だと指摘する識者もいるという。
さらにもう一つの理由として、OPEC[*2]の分解だ。本来であれば、産油国が歩調を合わせて、原油の生産量を調整して、原油価格をコントロールするのが目的だ。しかし現在のOPECはその機能を果たしておらず、原油価格を下落させている。
サウジアラビアの2つの誤算
サウジの一つ目の誤算は、シェールオイルの技術革新の進歩だ。
サウジはアメリカのシェールオイルを抑え込もうとして、石油の減産をしなかった[*3]。
しかし技術革新で、サウジの予想を超えて、シェールオイルが増産されてしまった。
二つ目の誤算とは、イランの経済制裁解除だ。サウジはイランの経済制裁が解除されないように働きかけていたが、これが解除(1月16日)されてしまった。
とりあえず、しばらくはサウジの石油とアメリカのシェールオイルの対決となりそうだ。
補足情報
[*1]原油の先物取引の市場のこと。
[*2]石油輸出国機構で、サウジアラビアなどの産油国が集まって、原油の生産量を調整し、価格をコントロールしてきた組織のこと。
オイルショックが起きた原因は、1973年このOPECとイスラエルとの間で戦争が起き、イスラエルを応援する欧米諸国をギブアップさせようとして原油を減らして値上げしたことである。
[*3]減産しないことで原油価格を低く抑え、アメリカのシェールオイルが採算割れするのを狙ったのだ。そのとき試算した価格は40~60ドルだとされる
2016-02-15 20:07
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